お勉強  リサイクルでの問題点はどこですか?!
自動車でも電化製品でも、リサイクルしやすい材料を使ったり、また材料ごとに分解しやすいような設計になっていたりと、現在では製品を作るだんかいでリサイクルのことを考えて作っていますので、だんだんとリサイクルの問題点は少なくなってきています。
しかし、まだまだ問題点は残っていて、たとえば集めるときの効率をどう上げるかとか、今ではまだ使い道がなくてゴミとして捨てなければならない物を、どうリサイクルできるようにするかとか、技術的な問題も数多く残っています。
 
その中でも、技術だけではなかなか解決できない問題をひとつ。
 
ちょっとむずかしいお話になりますが・・・
需給 ( じゅきゅう ) バランスという言葉があります。
需要 ( じゅよう:みんながほしいと思う気持ち ) と供給 ( きょうきゅう:ほしいと思うものを売る ) のバランスです。
ほしいと思う気持ちが少ないのに、たくさんの物を売ろうとしても、それほど多くは売れません。
だから、工場で作られる品物などは、需要が小さくなれば作る量をへらして、少ししか売らないようにします。
そして需要が大きくなれば、作る量を増やして、たくさん売るようにします。
需要が小さいのにたくさんの量を売ろうとすれば、値段を下げて売らなければ、思うようには売れません。
それが、その物を作るのにかかったお金よりも少ない金額でしか売れないということになると、工場は損をして、物を作り続ける ( 経営を続ける ) ことができません。
だから、作る量を少なくして、需給バランスをとって、適正 ( てきせい ) な値段、つまり損をせずに利益が出る値段で売れるようにするです。
 
ところがリサイクルで回収してくる古紙や金属などは、リサイクル業者が 「 作る 」 ものではありません。
ご家庭や会社や工場から出てくる廃棄物 ( はいきぶつ ) のうち、リサイクルできるものは全部回収しなければなりません。
そうでないと、ゴミとして燃やすとか埋め立てをするとか、とにかくゴミとして捨ててしまわなければならないものが多くなり、困ってしまいます。 つまり、需給バランスをとることが、とてもむずかしいのです。
 
古紙の場合を例にとりますと、みなさんのご家庭から出る古新聞や古雑誌の量は、いつもほとんど同じ量が出てきます。
それを回収業者は全部回収します。 今月は回収するけれど来月はゴミとして捨ててくださいなんて言えません。
そうして集めた古紙は製紙メーカーに新しい紙を作る原料として売るのですが、新しい紙があまり売れない時期には、製紙メーカーは需給バランスを考えて、あまり作りません。
ということは、原料である古紙もあまり必要ではないということです。
そうすれば、回収業者が古紙をいつも通り回収して集めても、それと同じ量を製紙メーカーが買ってくれるとはかぎらないのです。
そうすると古紙は余ってきて、値段を下げないと売れなくなってしまうのです。
かと言って、余った古紙を在庫 ( ざいこ:売らずにおいておくこと ) していても、おいておくだけで、倉庫代などのお金がかかるのです。
 
リサイクルで回収してくる古紙はいつも同じ量が集まるのに、それを原料として使う量は、世の中の景気 ( けいき ) の変動 ( へんどう ) などで多くなったり少なくなったりします。
そうすると、古紙は高く売れたり安くなったりするのです。
あまり高くなりすぎるのも、製品の値段が高くなってしまいますので良くないことなのですが、安くなりすぎると、回収業者の経営 ( けいえい:会社を続けていくこと ) ができなくなったりして、とてもむずかしい状態になるのです。
 
でも長い目で見た場合に、そのときには売れなくても ( 製品の原料として使われなくても )、また製品の需要が高まると売れるものですし、使わなければならなくなるものです。
この需給バランスが崩れて売れなくなったときに、どう経営を続けていくか・・・ このあたりがリサイクルの最大の問題点だと思います。
やさしく
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